Web UI設計とは?使いやすいWebサイトを作るための3つの原則とWeb設計のコツを、プロが解説!

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2025.09.22

デザイン

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UI設計がWebサイトの命運を分ける!
Web制作のプロがポイントと成功事例を大公開

皆さんがWebサイトを制作する時に譲れないことってなんですか?
「かっこいいデザインにしたい!」
「最新トレンドのアニメーションを使いたい!」
などなど、色々あると思います。
でも、実はWebサイトの成功は、見た目のかっこよさだけでは決まらないんです。
むしろ、もっと大切なのが、「いかにユーザーが使いやすいか」ということ。
今回は、そんな「使いやすさ」の鍵を握る、Webサイト制作における「UI設計」について、現場のリアルな情報も交えながらわかりやすくお話ししていきますね。 

そもそも、WebサイトにおけるUI設計ってどういうこと?

「UI」という言葉は、恐らく皆さん聞いたことがあると思いますが、ここでは改めてご説明します!
UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略語です。直訳すると「ユーザーとの接点」という意味。
もう少し具体的に言うと、Webサイト上でユーザーが目にして、触れて、操作するすべての要素のことです。
例えば、ボタン、メニュー、フォーム、アイコン、画像、テキストなど、Webサイトを構成しているパーツすべてがUIにあたります。

このUIを、いかに使いやすく、わかりやすく配置するかを考えるのが、WebサイトにおけるUI設計というわけです。
イメージとしては、おしゃれで素敵な家具がたくさんある部屋なのに、ドアノブがどこにあるかわからなかったり、照明のスイッチが使いにくい場所にあったりしたら、せっかくのおしゃれな部屋も台無しですよね。
Webサイトも同じで、デザインがどんなに素敵でも、ユーザーがスムーズに操作できないと、すぐに離脱してしまうんです。
UI設計は、ユーザーが迷わずに、快適にWebサイトを利用できるようにするための設計図と言えるかもしれません。

UIとUXの違い

UIと並んで、よく耳にするのが「UX」という言葉です。
UXは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、「ユーザー体験」という意味です。UIとUX、どちらもWebサイト制作には欠かせない要素ですが、それぞれ意味や役割が異なります。

 

UI

UX

意味

ユーザーとWebサイトとの「接点」

ユーザーがWebサイトを通して得る「体験」

ボタンの色や形、配置

サイト全体の使いやすさ、楽しさ、満足感

UIは、あくまでWebサイトを構成する「部品」や「見た目」のこと。 それに対して、UXは、そのUIを通じてユーザーが感じる「感情」や「印象」まで含めた、総合的な体験のことなんです。

イメージとしては、以下のような感じです。

UI:料理の食器や盛り付け
UX:料理を食べて「おいしい!」と感じたり、「また来たい!」と思ったりする感動体験

つまり、UIがどれだけ優れていても、ユーザーが求めている情報にたどり着けなかったり、購入までの手順が複雑だったりすると、UXは悪くなってしまいます。

逆に、UXを向上させるためには、UIを最適化していく必要があります。
UIとUXは、車の両輪のような関係で、どちらが欠けてもWebサイトの成功はありえません。
「使いやすいUI」は、「良いUX」を生み出すための大切な土台なんです。

優れたWebサイトにおけるUI設計のポイント

では、具体的に「優れたWebサイトにおけるUI設計」ってどんなものなのでしょうか?
ここでは、特に大切な3つのポイントをご紹介します。

1. シンプルで分かりやすいこと

「ユーザーを迷わせない」ことが、UI設計の最も重要なポイントです。

ここを意識せずWebサイトを制作すると、デザインを重視しすぎてどこに問い合わせのボタンがあるのか分かりにくかったり、とにかく情報を詰め込んでしまったことで本当に伝えたい情報が伝わらなかったり…といった問題が発生する恐れも。
とは言え、「シンプルで分かりやすい」というのは簡単そうでいて、実際にやってみようとするととても難しいんです…
そこで、ネオインデックスが意識しているポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!

ネオインデックスポイント!

①Webサイト制作の目的とターゲットを明確にする

伝えたい情報が多いと、そこから取捨選択するのはなかなか難易度が高いですよね。そこでネオインデックスが大切にしていることは、「このWebサイトを作るうえで、何を実現したいのか、どんな人がターゲットになるのか」ということです。
ここをしっかりと定めておくことで、制作途中で迷いが出た際にも原点回帰できるので、最終的に制作目標を叶えられるWebサイトを作ることができます。

②デザインは、全体的に統一感を持たせる

デザインに関しては、お客様からさまざまなご要望をいただくこともあり、時には真逆の要素を取り入れたいというケースもあります。そのような時でも、色調やデザインテイストなどを統一することで、バランスの取れたWebサイトを制作しています。
ただし、統一感だけを意識すると、印象に残らなかったり、どこかで見たことのあるような個性のないデザインになってしまったりします。そこで、ネオインデックスで意識していることが「心地よい違和感」を生み出すデザインです。
特にコンバージョンに繋がるお問い合わせやエントリー、資料請求などのボタンの色にこだわっています。違和感がありすぎると、サイト全体から浮いてしまい印象がよくないですが、統一感がありすぎるとコンバージョンの機会を逃してしまうことに繋がりかねません。

”目を引く”けれど、”サイト全体と調和している”。そのような心地よい違和感を生み出せるよう、細部にまでこだわってデザインをしています。

③ターゲットに合わせた言葉を選択する

①とも少し重なるところがありますが、「分かりやすさ」という点では言葉の選び方もとても重要です。
原稿を作成する時は、「ターゲットはサービスや商品に関する知識をどれくらい持っているか」という点を考慮して、そこに合わせたライティングをしています
たとえば、税理士事務所のWebサイトにおいて、「個人のお客様へ」というページでは税金のことがまったく分からないユーザーがターゲットになるので、専門用語をなるべく使わず、分かりやすい言葉に落とし込んで原稿を作成します。
一方で、「ビジネスパートナー募集」というページでは、同業である税理士や、ある程度税の知識を持ったユーザーがターゲットとなるので、専門用語も交えつつプロフェッショナルで信頼感のある文章となるよう原稿を作成しています。
1サイトごとではなく、1ページ1ページにおいてターゲットに合わせた文章を作成することで、「分かりやすさ」を実現しているんです!

 

2. 直感的に操作できること

「このボタンを押せば、こういうことが起こるだろうな」というように、ユーザーが直感的に操作できる設計が理想です。

たとえば、ECサイトなら「カートに追加」ボタン、コーポレートサイトなら「お問い合わせ」ボタンなど、ユーザーが次にしてほしい行動への導線を明確にしたり、ユーザーの操作に対して何らかの反応(フィードバック)を返したりします。

そうすることで、ユーザーは安心して閲覧・操作ができるWebサイトを実現できます!

ネオインデックスポイント!

①デバイスごとに異なるターゲットに合わせて、導線を設計する

レスポンシブデザインをする際に、ネオインデックスではただPCのデザインをスマートフォン向けに変えるだけではなく、デバイスごとにターゲットが異なる場合、それぞれ導線を最適化しています。
たとえば、ターゲットがPCは法人、スマートフォンは求職者の場合のコーポレートサイトを制作する際は、スマートフォンサイトのみ「採用情報」ページへの導線ボタンをアイコン付きで目立たせ、ハンバーガーメニューの横に設置することが多いです。
これによって、スマートフォンから閲覧した求職者は、採用に関するページに迷うことなくたどり着けるため、ストレスフリーで快適な情報収集を実現しています!

②CV(コンバージョン)ボタンは、アクセントカラーで

これに関しては、Webデザインをしている方なら「当たり前じゃん!」と思われるかもしれませんね(笑)ネオインデックスでも、CVはWebサイト制作における大きな目的となることが多いので採用しています。
アクセントカラーの選び方としては、複数の導線ボタンを設置する際も、色調は合わせつつ、差別化できるカラーをチョイスしています

3. 一貫性があること

Webサイト全体を通して、統一感を持たせることも、UIに欠かせない要素になります。
特に、
・言葉
・デザインパターン
・フォント
・ボタンの形
などにおいて一貫性がないと、ユーザーにとってストレスを感じやすいWebサイトになってしまう恐れがあります。

ネオインデックスポイント!

①表記ゆれを防ぐ

ユーザーの余計な迷いや違和感を生み出さないためには、表記ゆれを防ぐことが大切なポイントになります。
たとえば、同じアクションに対して、ページによって「登録」「アカウント作成」「新規作成」などと言葉が違うと、それぞれ異なるアクションを示していると思ってしまいますよね?
表記ゆれには、ユーザーを混乱させてしまうデメリットだけでなく、「このWebサイトは、雑に作られていて、信頼できないな」と思わせてしまうリスクもあるのです…
そのため、ネオインデックスでは「原稿作成ガイドライン」を作成して、表記ゆれを防いでいます!

【ガイドライン一例】

OK

NG

〇か月

〇カ月、〇ヶ月

ください

下さい

クオリティ

クオリティー

②デザイン

デザイン面においても一貫性を意識している点は無限にありますが、代表的なところをお伝えすると

  • 「お問い合わせ」などのCVボタンは、どのページでも同じ形・カラーに統一
  • ファーストビューは、テキストと写真は変わるけれど基本的に同一デザイン
  • フォントやメインカラーは全ページ統一

などなど…
オリジナリティのある「世界で一つのWebサイト」を制作していますが、それは「全ページをユニークに」ということではありません。
設計や導線、構成、メインカラーやアクセントカラー選びや背景装飾などの魅せ方をユニークにして、サイト全体は統一感を持たせることで、「ユニークでありながら、ユーザーに優しい」Webサイトを実現しています!

UI設計の流れ

「よし、UI設計をやってみよう!」と思っても、一体どこから始めればいいか分からないですよね。一般的なUI設計の進め方は、ざっくり言うと以下の4つのステップになります。

Step01: 目的とターゲットを明確にする

先ほどもお伝えしたように、まずは「このWebサイトを訪れる、あるいは訪れてほしい人はどんな人か?その人に、Webサイトを通してどんな行動をしてほしいか?」を考えましょう!

・目的例:お問い合わせの増加、ブランディング、採用の強化、商品の購入、サービスの申し込みなど
・ターゲット例:年齢、性別、趣味、どんなことに困っているかなど

Step02: ユーザーの行動を想定する

ターゲットとなるユーザーは、どんな流れでWebサイトを利用するのか、想像してみましょう。その上で、スムーズに行動できるような導線設計やサイトマップを構成していきます。
Step01で明確にしたターゲットが、どのように行動するか「行動フロー」を可視化することで、どこにどんなUIが必要なのかが見えてきますよ!

Step03: ワイヤーフレームを作成する

いよいよ、UI設計の設計図を作ります。ワイヤーフレームとは、Webサイトのレイアウトや要素の配置を簡単に示した骨組みのこと。
この時点では、デザインや色は考えず、ボタンやテキスト、画像の配置など、「どこに何を置くか」をざっくり決めていきます。

Step04:デザインを作成する

ワイヤーフレームに沿って、より詳細なデザインを詰めていきます。この時には、先ほどお伝えしたような「CVボタンはどんな形・カラーにするか」「メインカラーやフォントは、どのように統一するか」などを意識してみてくださいね!
ここまでできたら、あとはコーディングやシステム構築を行い、Webサイトを仕上げていきます。

WebサイトにおけるUI設計の成功事例

成功事例1:東和総合サービス様


リニューアル前のWebサイトは、サービスの拡大やSEO対策のために新規ページを次々と足していたため、サイトマップが複雑になっていました。たとえば、サービスページにおいて「サービスの概要」「作業の流れ」「Q&A」が別ページ化されており、必要な情報にたどり着くまでに何ページも遷移しなくてはなりませんでした。
また、都度必要なページを足していたため、表記ゆれや内容の齟齬(創業年数や価格など)が生まれてしまうことも課題として挙げられていました。
そこで、ネオインデックスではサイトマップを一から見直し、「1ページで必要な情報が得られる」よう構成を作り直しました
1つのサービスページに、サービス概要・業務内容・お客様ならではの強み・費用・作業の流れ・Q&Aを載せることで、このサービスの利用を検討しているユーザーが知りたい情報をページ遷移することなく得ることを叶えています。
さらに、表記ゆれをなくすためネオインデックスのライターが原稿を作成。創業年数を記載している箇所には、毎年自動更新されるプログラムを導入することで、正確な情報を更新の手間をかけることなく叶えられるようにしました。

 

POINT01.サイトマップにメスを入れ、情報を整理

POINT02.1ページで必要な情報を得られるような構成に

POINT03.ライターによる統一感のある原稿作成&プログラムで創業年数を自動更新

成功事例2:豊鋼材工業様

Webサイト制作前に行うキックオフミーティングの際に、「製品情報と設備技術がうまく連動していない」「HPの更新がしづらく、最新の情報を発信できない」というご相談をいただいていました。
また、旧サイトは「お問い合わせ」への導線がフッターに「サイトマップ」などと同列に設けられていたのみだったため、CV導線にも課題がありました。
そこで、ネオインデックスでは「製品情報」と「設備技術」を整理し、それぞれの製品・設備技術ごとに1ページ新規作成。情報量の充実と必要な情報を得るためのプロセスの簡素化を実現しました。
さらに、お客様が提供している数多くの製品の中から、ユーザーが目的の製品情報へとスムーズにたどり着けるよう、「建築」「造船」などの分野ごとに検索できるページを設けたり、「製品検索CMS」を開発して絞り込み検索ができるようにしたりといった施策を打ち出しました
「お問い合わせ」への導線ボタンは、メインカラーのブルーの補色であるオレンジを採用し、PCではヘッダーに、スマートフォンでは画面下部に固定表示することで、どのページのどこを閲覧していてもスムーズに問い合わせできる導線設計に仕上げています。

POINT01.情報を整理し、1ページに一つの情報をまとめる

POINT02.ターゲットごとに訪れるページを設ける

POINT03.オリジナルCMSを開発し、絞込検索機能を導入

 

 

最新のWeb UIデザインのトレンド

最後に、最新のWeb UIデザインのトレンドをいくつかご紹介します!
トレンドは常に変化しますが、これからWebサイトを作る上で知っておくと、よりユーザーに響くデザインにつながりますよ。

1. ミニマリズム

「Less is more.(少ないことは、より豊かである)」という考え方が、近年主流になってきています。皆さんも「ミニマリスト」という言葉を聞いたことがあると思います。それもミニマリズムの一貫です!
ミニマリストは持ち物が少ない人を指しますが、Webサイトは装飾を最小限に抑え、余白を活かすことで、コンテンツを際立たせるデザインをミニマリズムと言います。シンプルで洗練された印象を与えることができるため、大手企業や有名サービスをはじめ多くのWebサイトで採用されています。

2. マイクロインタラクション


「マイクロインタラクション」とは、Webサイト上の小さなアニメーションや動きのことです。
例えば、「いいね!」ボタンをクリックした時にハートが飛び出したり、商品をカートに入れた時に、カートのアイコンがプルプル震えるなど、ユーザーの行動に対して小さな反応を返すことで、アクションへの手ごたえを感じられ、ユーザーの満足度を高めます。

3. ダークモード

多くのスマートフォンやアプリに搭載されているダークモード。これまで、白背景に黒文字のライトモードが主流でしたが、目の疲労感の軽減やバッテリー消費を抑える効果があるため、ダークモードでスマートフォンを利用しているユーザーが増えています
そこで、ダークモードに対応したWebサイトを制作することで、多くのユーザーのUI・UXを高めることができます!
ダークモードに対応するためには、コントラスト比の配慮や、ダークモードに切り替える変数やJavaScriptの実装などの方法があります。

まとめ

以上、Webサイトの使いやすさを決める「Web UI設計」について、初心者の方にも分かりやすくお話ししました。
ebサイト制作は、ただ見た目をかっこよくするだけではなく、ユーザーのことを徹底的に考えることが成功への近道です。
「このWebサイトを訪れた人は、どんな気持ちになるだろう?」 
「どうすればもっと快適に使ってもらえるだろう?」
そんな風に、ユーザーに寄り添う気持ちでWebサイト制作に臨んでみてください。
きっと、ユーザーに愛される、素敵なWebサイトが完成するはずです。

もしも、
「UI設計って難しそう…」
「プロにUI設計を考慮したWebサイトを作ってもらいたい!」
という方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた!

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